Nosemantik Max

子供の都合悪いことスルー力は見習いたい (NM)

原稿読み,アイコンタクト

発表原稿をあらかじめ書いておいて,その紙を発表時に読み上げる,僕もそんなことをしていた時期がありました.今回の学会においても,日本人だけではなく,英語母語話者にも原稿読みの方が結構いました.確かに正確な英語文を話すことができて,失敗したり制限時間を超過する可能性が少ない(原稿読みで制限時間を超過していた人がいたが,何だったのでしょうか).
原稿を読む場合,発話される英語は正しくキレイかもしれない,だから何なのでしょう? そもそも,書き言葉と話し言葉は英語でも異なるはずだし,文語的にテクニカルな言い回しは口頭ではほとんど伝わらない(はず).発表者自身が興味を持ってずっと研究してきていて,自身が最も権威であるはずの研究テーマを,紙を見ないと話せないとは何事か? 第一,原稿ばかり見ていたんでは,聴衆の反応が見れないじゃないですか.原稿を読んでいた人でも,聴衆の存在が見えないという限界を知っている方は,ときに原稿から目を離して聴衆とアイコンタクトされている方がいました.やはり,せっかくの学会発表なのですから,できれば原稿を見ずに,聴衆をアイコンタクトを取ったり,反応を楽しんだりしながら発表できるといいですよね.僕がプレゼンがうまい評価した2人は,原稿を読むことはしませんでした.

結局,学会発表は英語の問題ではなく,まずはしっかり内容を把握した上で,簡潔な説明,美しい図表,かつ,大きな字でパワポを作り,結論ははじめの方に配置し,発表原稿を暗記し,それを制限時間内におさめ,必要に応じて簡単なハンドアウトを用意し,堂々と発表することが大事だと思いました.
僕自身がこのようにできたとはとても言えませんが,今回の発表で僕が上で書いたことをきちんとやっていると思った発表者は,今覚えている限りで2名だけでした.その方にはコーヒーブレークのときに,「プレゼン,良かったですね」とつたない英語で言いに行きました(笑)
当然ながら,良い研究をすることが一番大事です,その上で,良いプレゼンをすることは,研究者の「営業行為」として,これからは特に重要だと思います.