Nosemantik Max

子供の都合悪いことスルー力は見習いたい (NM)

人類の祖先と言語

風邪なので読書,

ホモ・フロレシエンシス〈上〉―1万2000年前に消えた人類 (NHKブックス)

ホモ・フロレシエンシス〈上〉―1万2000年前に消えた人類 (NHKブックス)

ホモ・フロレシエンシス〈下〉―1万2000年前に消えた人類 (NHKブックス)

ホモ・フロレシエンシス〈下〉―1万2000年前に消えた人類 (NHKブックス)

一気に読む,下巻はなんだか学会やメディアのごたごたの話.途中で,ドイツの研究所の考古学研のボスが出てきてびっくりした(あのおじさんも偉い人だったんだねえ).考古学や人類学では,骨や石器なんかを調べることで,そのときの人類がどんな感じであるかを科学的に調査したり,骨の炭素を調べることでその骨が何万年かをある程度は同定できたりするのだけど,こと,言語に関しては,記録が残っているものでない限り(せいぜい2000年前),当時,人々がどのように話し,どのような文法を持っていたかはわからない(歴史げんご学の手法でどこまで遡れるかについても書きたいが,まだ考えがまとまらないので保留,またオランウータンやチンパンジーの社会行動や言語行動を観察して,言語の成立を考える手法についても保留).
とりあえずは,なるべく多くの言語の文法を勉強することと,特定のエリアの言語(群)の通時的な状況を見ることで,言語の変化を考察していく手法を取っている(つもり).
僕自身もパプアニューギニアやバヌアツに調査に行くのだけれど,他国の研究者が未開の調査地で,現地人や現地研究者と上手く連携するのは,困難な事柄である.現地との信頼関係を築くことは絶対重要なのである.