Nosemantik Max

子供の都合悪いことスルー力は見習いたい (NM)

もうすぐ44歳になるおっさんが育児(二人目)をはじめる件

正直,コスパ的に考える人からするとありえない選択肢だと思うし,僕自身も結構ビビっているわけですが.
・おそらく,「がっつり研究したい,論文を書きたい人」にとっては,結婚や出産,育児ってのはまったくもって研究の邪魔でしかありえないと思う.
・その考えは基本的には変わっていないし,アカデミックな職への就職状況が厳しい現在,特に文系においては,「研究者としての成功」と「家庭人としての成功」は両立しないと思っていた(ただし,ヨーロッパなんかでは一流の研究者で,夕方になると子供や家族と過ごしている人も多数であるが,日本では簡単なことではないと思う).なので,自身が結婚し,さらには2人の子持ちになるとは少なくとも30代中盤まではそもそも考えもしなかったのである.
・ずっと前にもブログに書いたように,相方を持つことで,論文が採択されたり,研究費があたったり,逆にリジェクトされた時や授業でうまく教えられないとき,一緒に喜んだり悲しんだりできるパートナーがいることは,自身の精神にとってはとても良いことであるし,結婚後の研究業績や給料分は半分は相方のものであると感じている.
・しかし,育児は異なる.ミルクつくり,おむつ替え,お風呂入れは当然のこと,病院へ連れていく,児童館へ連れていく,保育園に連れていく,その他もろもろの行為は,仕事や研究のリソースを食いまくるのは事実である.「子供の笑顔は宝物」「子供の寝顔にいやされる」は主観的な意味ではそうではあるのだが,客観的には,やはり自身の規則正しい生活を乱すものであるし,相方との(2人だけの)生活を乱すものである(実際,子供さえいなかったら,もっと海外旅行できるよね,とか,2人で外食できるものね,みたいなことはある).
・それにもかかわらず,子供を作ったのは,義実家の要請もあるのだが,それ以外として,自身が好きな相方との子供が欲しいという気持ちであった.その結果,2012年に第一子(ワイ氏)ができたのだが,やはり研究や教育への影響(研究時間の減少,結果として業績の減少)があった.一方で,大変であるが育児をすることで,自身の可能性を増やすことができ,なんというかレベルアップできたような気がした.
・そして今回の第二子,正直迷ったのだが,おそらく僕は相方より早く死ぬだろうから(相方より年上につき),相方がさびしくないようにってことと,研究についてはリソースを絞り短時間で効率化することにより,ある程度はできるという見通しが立ったからである(もちろん,大学院生時代やポスドク時代の数分の一の労力にしかならないが).もう一つは,僕と相方の家の事情やごたごたをワイ氏ひとりに負担させたくないようにである.
・まとめとしては,僕は相方そして子供と一緒とあっての僕であり,もうひとりには戻りたくないのであり,そしてこれから大変なのはわかっているし,どうなるかわからないが,仕事も集中してやりつつ,育児も全力でやるのであります.見返りはそれほどないかもしれませんが,僕はひとりではなく,家族で暮らす方が幸せに感じるようです.