Nosemantik Max

子供の都合悪いことスルー力は見習いたい (NM)

フィールド後半戦

再びパプアニューギニアの旅話.
毎日晴天が続き,データもどんどん取ることができ,今回絶対必要なデータは前半で取ることができた.後半は現地語の深い記述,会話練習や今後の研究ネタ確保のためにいろいろ聞き込み.

写真:フィールドの必需品,3バンドラジオ,短波は日本の放送も聞けます(まったく面白くなかったが)
なんとか,小屋に8日間滞在したのだが,7日目の夜にダニさんが男性の大事な箇所に侵入開始...このままではインキンタムシになってしまう...というわけで8日目にいったん町に行き,町のホテルに2泊することに.
毎日ホテルとフィールドを往復するのは不便だし,治安的にも不安.しかし,インフォーマントに毎回ホテルに来てもらうのも面倒なので,今回は耐えられるまで村に滞在し,駄目だと思ったら町のホテルに滞在することにしたのである.
ホテルでは,町の方や島沿いで話されているベル語の調査を実施する.こちらはいわゆるオーストロネシア系の言語なのだが,言語接触の結果,かなり文法が複雑になっている.こちらも必要最小限のデータを取る.村の方にも,山の上の村の住人でベル語を話すおじさんがいて,昨年はそのおじさんから学んだのだが,今年6月にお亡くなりになっていたのである.

写真:教会近くの村の中心広場
また山の村に戻り,もうひと調査.ほとんどアメレ語の会話練習に費やす.また,インフォーマントの長女がその夫と赤ちゃんと一時滞在しており,夫君の言葉について聞く.なんでも,アリ語という言語で,のちにアリのコミュニティから親戚が4人来たので,1分ほどアリ語の音声を録音し,2,3年後の調査のお願いをした(ただし,アリ語のコミュニティはすでにアリ語を話せるのは夫君含め5人のうち1人だけで,他はトクピシンしか話せないらしい,緊急の調査が必要である).
村に4泊して,週明けの月曜に下山し,町へ.今回も村のルター派の教会に多くの寄付をし,さらにインフォーマントさん家族にも多くの謝礼を渡した.蚊に刺されまくり,汗臭い下着や不便さ,(申し訳ないのだけど)おいしくない食事から解放されると思う一方,みんなが僕が去るのを惜しんでくれるのを見るとこちらも悲しくなってくる.また来年来ます.再来年には赤さんも相方も来ます,たぶん.

写真:体を洗う(ワスワス)水場,男性専用,女性や子供はもう少し下流で洗います

9月の15日にマダンの町で開かれるシンシンフェスティヴァル(伝統的な踊りのお祭り)のため,シンシンの練習をする子供とその指導をする村の指導者的若者

夜の狩りで捕まえたバンディクートを焼きます.まあおいしいですよ.

ハイエースのPMV(乗り合いバス)ではない,大型トラックを利用した乗り合いバス(料金は同じ).風が直接来るので寒いのとほこりがつらい.あと,事故したら確実に重傷になるでしょう,ナムナム.最終日に町に戻るときに僕も乗りました.
町まではインフォーマントの家族についてきてもらい,無事にホテルに入る.レストランで最後にいっしょに食事をして,さらにホテルのベル語の従業員とおしゃべりして,部屋で休む.ぼろぼろになった服を処分したり,まだ使用する服を手洗いしたりしてなんだかんだで忙しく過ごす.
で,翌日,9時前にホテルをチェックアウトし,ホテルのバンで空港に送ってもらう(運転手はベル語の人なので,最後まで名残惜しい).10時過ぎダッシュ8のプロペラ機に搭乗し,10時半過ぎに離陸,11時半には首都のポートモレスビーに到着.