Nosemantik Max

子供の都合悪いことスルー力は見習いたい (NM)

治安が最悪なようで,とりあえずダイジェスト的に:

まずは外務省の安全情報:パプアニューギニア
http://www2.anzen.mofa.go.jp/info/pcinfectionspothazardinfo.asp?id=75#header
首都が危険なことは有名なのですが,まさかここマダンまでも.
8月25日日曜,現地到着2日目,お昼ご飯やおやつを買いに12時前にホテルを出発し,町をうろうろ,日曜なので人通りが普段よりは少ないが,それなりに賑わっている.ホテルに一番近いスーパーで水やペプシ,ビスケットを買ってそれらを肩掛け袋に入れてホテルに帰る.
近道で警察署へ向かう方の道へ,と,なんだか後ろからつけられている感じで,ふと立ち止まると,向こうも立ち止まる.危ないかなとも思いつつ,これまで賊(パプアニューギニアではラスカルと呼びます)に会ったことないし,昼間だし,警察署が近くにあるし,と思って歩き始めて10歩も行かないところで(ちょうどスーパーの見える通りを曲がったところで,たまたま人通りも少なかった),いきなりひとりに中華包丁みたいなので首の後ろを切られ,あとの2人が肩掛け袋を奪い取ってきました.少し抵抗しかけたのですが,こりゃ駄目だって感じで,肩掛け袋を奪われ,倒れこみました.
中華包丁の男が撫でる感じで左手から右手を傷つけ,左手に3か所近く小さい切り傷,そして右手の甲に4センチの深い傷,及び人差し指と中指に2センチの切り傷,さらにあと3,4か所小さな切り傷を付けられました.右手の甲と人差し指からかなり出血があり,もう一撃来ると重傷になったかと思います.向こうも襲撃を急いだため,そこで3人は走って退散(顔なんて覚えてない:なお,被害はデジカメ,小型ビデオカメラ,蚊よけスプレー,ペプシ缶2,ペットボトル水1,ビスケット3つ).財布はカーゴパンツのポケットに入れていたため,無事でした.
周囲の誰も助けに来てくれず,さらに警察署に行ってもすでに遅いかと思い,首の出血や症状がわからず,パニックになる.意識はしっかりあったので,小走りでホテルに向かう,出血しながら小走りなので,人々の悲しげな視線がつらい.なんとか5分程度でホテルの入り口までたどり着き門番にサポート&ヘルプをお願いする(この間も右手からかなりの出血が続いている,そして首の後ろの傷の状況は不明).
ホテルのロビーでタオルで首の血をきれいにしてもらい,水で右手の傷を落とす.急いでホテルの車を用意してもらい,近くのプライベートクリニックへ連れて行ったもらう(ホテルからひとり補助として来てもらいました,Mに感謝).
お医者さんも急いで来てくれて診てもらう.幸い,首の後ろの傷は皮膚だけの模様(しかし,深手だったり,位置がずれて頸動脈に行っていたらと考えるとガクブル),左右の手の切り傷は消毒してもらい,首の後ろの傷は消毒後,縫ってもらいました(6針,4日後に抜歯しました:総費用は1万円くらい).傷自体の痛さよりも,もしかしたら死んでたかもっていう思いと,このまま死んだら相方や母親が悲しむなあと考えると,トラウマとなって恐怖感が出てきました.お医者さんには破傷風の予防接種はどうするか聞かれたのですが,2010年に予防接種済みなので不要と答え,迎えに来てくれたホテルの送迎車でホテルに戻りました(14時半頃).ようやく落ち着いて着ていた服を脱ぐと上のTシャツは血の匂いがたっぷりとついており,下のカーゴパンツも右手の出血がかなり付いていました(その後,両方破棄).
部屋で休んでいたところ,16時ころに入電,日本語を話す方がキタ.JICAの青年海外協力隊のKさんがホテルからの連絡で様子を見に来てくれました.Kさんも協力隊活動中に襲われて背中を切られたそうで,傷を見せてもらいました.Kさん及び病院で協力隊活動をしているHさんの助言で,今一度破傷風の予防接種をしておいた方が良いとのことで,またホテルに車を出してもらい,Kさん,Hさんと一緒に病院へ.病院で破傷風の注射をしてもらい,帰ってきました.
・日曜及び夜間,人通りにないとこ(そして逆に人通りの多いことも)は危険(地元の人も被害に遭っている)
・安全はお金を出して買う(ホテルの人について来てもらっていたら...)
・パスポートや航空券,携帯スマホなどはホテルに置いておく(デジカメだけだったからよかったものの)
・襲われた時よりも,その後のトラウマやいろいろ考え込んでしまうことが問題,なるべく事件後は楽天的に
・独身のときであれば,調査研究遂行時に非業の死をとげるのはそれはそれで本望だったのですが,今は僕が死ぬと悲しむ人もいますので...ほんと,生きててよかった.