まずは,参考文献,
- 作者: リチャード P.ファインマン,Richard P. Feynman,大貫昌子
- 出版社/メーカー: 岩波書店
- 発売日: 2000/01/14
- メディア: 文庫
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積荷崇拝 《現代文明の産物を満載した船または飛行機に乗って祖先たちが帰り, 労働の必要がなくなって白人の支配から自由になる日が訪れるという信仰
その昔,白人(アメリカ軍?)が船や飛行機でカーゴにいっぱいの食料や文明品を持ち込んでくれた経緯から,またいつの日かそのような積荷を持って戻ってきてくれると信じ,木で飛行機を作ったり,管制塔を模した建物を作ったりして,救世主(救援物資)を待つ信仰.バヌアツのタンナ島のジョン・フラム運動というのが有名である.http://en.wikipedia.org/wiki/John_Frum
これについて,ファインマンは科学的な研究において,いわゆる似非科学をカーゴカルトと関連させて論じている(上の参考文献,僕はまだ未読).レビューを読んだ限りでは,願望とか希望がまず存在し,それを達成(証明)するために一見科学的に見えるアプローチを取っている(ように見える)ものを,カーゴカルト・サイエンスと言うらしい.
僕はパプアニューギニアやバヌアツで実際のカーゴカルトを見たわけではないのですが,いつか誰かが精神的物質的に幸せをもたらしてくれるって類の考えは誰でもありますよねえ.ただ,だからと言ってそのために努力をしないというのは駄目ですし,努力の方向を間違えちゃ駄目ですよねえ.カーゴカルト信仰の人々は,努力はしているのですが,その方向がちょっと違うんですよねえ.